発達障害について②



発達障害についての大きな誤解


“発達障害をもって生まれたら、障害者になるんだ”

という認識があります。

しかし、必ずしもそうとは限らないんです。



「発達障害者」とは、発達障害があるものであって発達障害及び社会的障壁により日常生活又は社会生活に制限をうけるもの

(発達障害者支援法 第二条第二項より抜粋)


…いきなり、かたい話になってすみません。


この法律を読んでみてもわかるのですが

“発達障害がある”だけで“発達障害者”というわけではなく


ポイントは

“日常生活または社会生活に制限をうけるかどうか”

ということになっていきます。


いくら発達に特性があっても

本人や、まわりがその特性を理解して

生活面を工夫したり、利用できるアイテムを使い

社会適応ができれば“障害”とする必要がなくなります。



例えば、今は視力が弱い人はたくさんいますが

“メガネ”“コンタクトレンズ”というツールが手に入りやすいので

“視力が弱いから障害者”とはなりません。


私自身、視力が0.03しかありませんので

世の中からメガネやコンタクトレンズがなくなれば

ほとんど何も見えなくなり

日常生活や社会生活を送る上で、かなりの制限がかかってきます。


そうすると私は“障害者”として、様々な援助が必要になります。



自分の苦手とするところを、どうやって補うか

その知識とツール、世の中の状況、周囲の理解によって

“障害か障害でないか”“生きやすいか生きづらいか”

は変わっていきます。



ただ、誤解しないでいただきたいことがひとつ。

それは、“障害者であることが悪いことではない”ということです。


“どんなことで困っているか”を周囲にわかってもらい協力してもらうためや

社会の制度・ツールを積極的に利用するためなど

『生きやすくなる、幸せになる』選択であれば、迷わずしてほしいんです。


そのためにも、できるだけ多くの人に

自分の生きやすい生き方を選べるような土台

知識や経験を重ねていってほしいと願います。


私が発達障害について記事を書くのは

そういう理由からです。




発達特性をもつ人に対する子育て・対策


発達の特性(脳の個性)が強い場合

どのような子育てをしていくのか

どのような対策をしていくのか

ということも重要です。


『発達障害は生まれつきだから、育て方の問題ではない』

という言われ方をされていた時期がありますが

この考え方は、子どもたちにとって最善の結果をもたらしません。


“発達特性をもっている子”であっても

適切な育て方・教育・療育・環境の整備次第で

将来的には“発達障害者”の認定が必要ない場合もありますし


その反対のことも、また当然起こるわけで

“発達特性はほとんど見られない子(いわゆる定型発達だった子)”でも

不適切な環境で、不適切な子育てを続けていれば

“発達障害者”になる可能性があるということです。



なぜなら、“発達障害者”となる過程とは

『遺伝リスク×環境リスク』の影響により、特性の強い脳が、社会適応しづらい状態に固定化された結果であると考えられるからです。



遺伝リスク・環境リスク・障害リスクの関係



そもそも遺伝リスクがなければ、発達の特性は出にくいので

その意味では“発達障害は生まれつき”というのも間違いではないですが

“育て方や、環境が、発達障害に関係しない”というのは間違いです。


遺伝リスクがある場合であっても環境リスクを極力抑えることで

“特性による生きづらさ=障害”を改善することもできます。


その子の“個性・特性”がどのようなものなのか

親や養育者ができるだけよく観察し

家庭生活での養育方法を工夫したり

教育機関・療育機関などでのかかわりを適切なものにしていくことで

将来的に日常・社会生活で制限をうける範囲が、大きく変わってきます。



脳科学の分野では、

“10歳頃から、前頭葉の発達のピークをむかえる”

という研究結果があるようです。

※心理学でも、11歳頃から“形式的操作(具体物や実経験がなくとも、理論的に抽象的に考えられる思考)”が成立してくると考えられていて、この頃の脳は成熟を迎える時期と言えると思います。(ジャン・ピアジェの認知発達段階論)


脳というのは、ある部分の働きが欠損していたり

成長が阻害され遅れている場合であっても

他の部分が、欠損部分・発達の遅れのある部分を補うことが可能です。

一部の苦手な脳領域を伸ばすことで、他の苦手領域や

脳全体の成長を促すことがわかっています。

(脳の汎化性・可塑性)


脳が成熟するまでの期間は、脳がダイナミックに変化している期間。

“得意な部分(発達特性)”を伸ばしつつも

“苦手な分野”を刺激して

“社会適応的な脳”を目指していくことが大切です。



脳の発達の凸凹

(※脳が実際に凸凹しているわけではなく、発達の強弱をイメージ化したものです。)

定型発達の脳は、得意分野と苦手分野の凸凹が小さいのですが

発達の特性のある脳は、凸凹が大きく、苦手分野が発達しづらいという特徴があります。


発達障害について③に続きます→



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