最近出会った方々、お話をうかがった方々に
『逃げてはいけないのではないか』
という共通のテーマがありました。
同じテーマに立て続けに出会うときには
『これはシンクロニシティ(因果関係のない複数のできごとが同時に経験されること。一見偶然のようでありながら、大きな力によって組み込まれたような意味のある必然・共時性)だな』
と思うのですが
そういう時は
“自分自身についても掘り下げなさい”という
目に見えない存在からのメッセージかもしれないと感じますので
積極的に取り上げていきたいと思っています。
『逃げてはいけない』
『結果を出さなければいけない』
『自分で選んだことなのだから続けなければいけない』
というような、ある種の脅迫観念によって
『逃げられない』
場合が人生にはあると思います。
例えば、私の人生でのことを例にあげると
『大学で法律を学んできたから、それを生かせる仕事に就かなければいけないのではないか(全く違う道を選ぶのは罪のように感じてしまう)。』
『一生務めるつもりで公務員になったけど、このままだと心が死んでいくと思う。でも、今辞めたら、どこへ行っても仕事が続かないような気がする。』
など
他にもたくさん悩んだ経験があります。
私が今回のシンクロニシティで感じたのは
『逃げる』よりも
『逃げない』でいるときの方がラクだから
『逃げない』を選びたいという人間の弱さがあるということ
『逃げない』ことは一見、誠実で立派なようでありながら
実は、心の底の底までを覗いたときには
ただラクな方を選んでいるかもしれないということです。
“このままだと限界を迎える”
と薄々気づいていながらも
無意識下で『現状維持』の方にしがみつきたいのだろうな
という状況の方に頻繁に出会っています。
表面上は、現状維持の『逃げない』方が苦しく険しい道のように見えていても
未知なものに挑む方が、恐怖が大きく踏み出せない
動いたところで良い結果が保証されていないから動かない
面倒くさくてできない、大変そうでできない
『だから逃げない・逃げられない』という場合も多いと感じます。
人間は本能的に“新しい場所”や“批判”を恐れるということもありますが
現状維持を選ばずに新しい道を行くということは
『責任をすべて自分が背負っていく覚悟』
『自立を選ぶこと』
『突きつけられたことに正面から向き合う』
ということでもあると思います。
現状を変えるときというのは
『新天地に向かうとき』
そうしたときに
『自分から離れていかないでほしい』
『シナリオ通り動いてくれるコマを失いたくない』
『あなたばかり幸せになるのは許せない』
というような周囲のエゴから
「逃げるのか!」
「約束と違うじゃないか!」
「自己中心的すぎる!」
と、呪縛の言葉が発せられているかもしれません。
この言葉は
『状況を変えたい』
と願う人にとって、とても重い足かせとなります。
本人も
『ここまでお金も時間もかけてきた』
『周囲にも協力してもらってきた』
『自分はこれまで迷惑をかけてしまった』
『この道が正しいのだと自分にも人にも主張してきてしまった』
という後ろめたさがあると
『やっぱりこれは逃げるということなんだろうか』
『自分は罪深いことをしようとしているのではないか』
と、自分の頭の中の自責感や、周囲の言葉に揺さぶられ
自分軸での判断ができなくなっていきます。
自分の脳と心が一致しなくなって
自責感が強まっているときは
ご自身だけで判断しない方が良い時
でもあると思います。
カウンセラーでなくても
完全に客観的な立場から話を聴いてくれる第三者に話してみてください。
つらいときに
悩んで悩んで、苦しんでいるときに
『逃げるな!』
と責める人が周りにいるのであれば
その人を、必ずしも信頼しなくていいとも思います。
その人は、呪縛の言葉によって
無意識にあなたを支配しようとしている場合もあります。
反対に、『逃げてはいけない』局面も、人生には存在します。
私がこれまで『逃げた』ことで最も後悔したことは
私が自分自身の内面に向き合うことから逃げ出そうとしたことです。
自分の未熟さや醜さが、何よりも恐ろしかったんです。
自分(魂)は成長や幸せを望んでいるのに
自分(脳)が見たくないものからは目を逸らして逃げていました。
そこに直面することは、私(脳)にとっての危機だったのだと思います。
わかりやすく言うなら、現実逃避をしている状態です。
でも、逃げた後に、ものすごく後悔しました。
おそらく、『自分が自分を見捨ててしまったから』
だと思います。
本当の自分で生きるためには
自分から逃げることだけは、してはいけないんだと学びました。
その時は一瞬だけラクになったような気がしても
結局は自分を追い詰めることにもなります。
逃げるのがいいのか
逃げないのがいいのか
逃げることが弱さであるという固定観念をお持ちの方も多いですが
言葉だけ・表面だけに惑わされないようにするのも大切だと思います。
仕事に行く前に動悸が激しくなったり、不眠が続いているのに
“仕事から逃げてはいけない”“ダメなやつと思われてしまう”
と無理をし続けるのは
『逃げるタイミングを自分で否定して逃げることができていない』
という状態ですし
借金を抱えていながら
“考えたら生活できなくなってしまう”“きっとなんとかなる”
とギャンブルに依存しながら自分を正当化しようとするのは
『現実から逃げてはいけない局面で、現実に向き合う怖さから逃げてしまっている』
状態だと考えられます。
『逃げる・逃げない』という場面に出会ったときには
本当は、何を恐れていて、何から逃れようとしているのか
本当は、何を望んでいるのか
誰かからの評価のためではなく
誰かからの罵声を浴びないようにするためではなく
他人軸でなく、自分軸ではどうなのか
自分自身の奥の奥を知ろうとしていくことが重要だと感じています。
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